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DVDに字幕を義務付ける法律

 耳の聞こえない人は、映画等の映像に字幕がないと、内容が理解できないということを、知っていますか?
 わたしたちは、今、街のレンタルショップでかりられる多くのDVDやブルーレイディスク(BD)に字幕がついていたら、どんなに素敵だろうと願っています。誰のお邪魔にもならず、自分で字幕を選択し、通訳を頼むことなくひとりで、また大好きな家族と一緒に、聞こえる恋人と一緒に、映画を楽しむことができるからです。
 DVDやブルーレイディスク(BD)の字幕について、あなたもぜひ一緒に考えて、そして次の手紙を、あなたの周りのいろんな人に、あなた自身の手で配達してください。
 全国のみなさんのお力が必要です。ヨロシクお願いします。


〜 あなたに託した手紙 〜

たった一つの願い
「DVDやブルーレイディスク(BD)に字幕を義務付ける法律」を
作ってください。

はじめに

 あなたはどんな人ですか? 小学生?中高生?大学生?会社員?社長さん?学校の先生?看護婦さん?商店街の店主さん?町の議員さん?それとも子育て中のママ?・・・・
 私たちは、この手紙を、多くの人の手で、国会議員に運んでほしいと願っています。
 この手紙を手に取ってくださったあなた、あなたが小学生なら、これを担任の先生に渡してください。学校の先生なら、校長先生や教育委員会に。地元の商店の方なら、商工会議所に。商工会議所の方なら、その連合会など上の組織に。そして、1人の市民なら、市会議員さんや市長さんのところに。市や区の議員さんなら、県会議員に。少しでも頼りになる目上の人に、このメッセージを届けてください。
 あなたの住むあなたの町から、聞こえない人の字幕の問題をともに考え、解決策を一緒に探してください。学校のクラスでこの問題を取り上げたり、あなたのお店や企業でできることがないか話したりしてみたりしてください。町議会などでも取り上げてください。そして、更に頼れる誰かのもとへ、このメッセージを伝えてください。
 私たちは、最後に、このメッセージを、ひとりひとりの全ての国会議員に届けたい。そして、私たちの願いを受け止め、新しい法律を一緒に作ってほしいと思っています。

たった一つの願いです。
「DVDやブルーレイディスク(BD)に字幕を義務付ける法律」を作ってください。

ハリウッド映画『バベル』の字幕署名から

 耳の聞こえない人の多くは、洋画ファンです。おなじみの日本の俳優さんたちがたくさん出演している邦画はほとんど見ません。字幕がなくて、内容がわからないからです。
 2007年春、アカデミー賞などで注目を集めたハリウッド映画『バベル』には、英語などのほか“日本語のセリフにも全て字幕”がつきました。400人のろう者がエキストラとして参加し、なじみの手話シーンも数多く登場する中、全国の聞こえない人が、この映画を観たいと望み、署名運動をしたからです。
 バベルには、ブラット・ピットなど海外の有名俳優のほか、日本の役所広司さんやアカデミー賞助演女優賞で話題になった菊地凛子さんなども出演しています。この映画には、英語・モロッコの言葉・メキシコの言葉・日本語・手話・・・と、5つの言語が登場します。ところが、日本公開に際し、当初『日本人が見るのだから日本語のセリフに字幕は要らないだろう』と、日本の役者さんが話すシーンに字幕がついていなかったのです。
 せっかくろう者が情熱を持って参加した映画なのに、これでは肝心の全国のろう者が見ることができません。気づいた多くの人が署名運動に参加し、また配給会社の理解の下、全てのフィルムの日本語音声にまで字幕がつくことになりました。このとき集まった署名は全国4万人。
 聞こえない人は、これまで、日本人が登場して注目を集めた洋画『ラストサムライ』『ブラックレイン』なども、日本語音声に字幕がないため見ることができていません。このほか大多数の『邦画』や『アニメ』も積極的に字幕がつけられているものは少なく、聞こえない人は楽しむことができません。
(確かに映画では、邦画等で聞こえない人向けの字幕をつけて全国上映を行うものがありますが、これは、数あるフィルムの中のほんの4〜5本。これが、全国を転々と回り、聞こえない人が地元で見ることができるのは、長いロードショウ期間中のほんの2〜3日しかありません。)
 そして、現在そうした映画は、全国公開を終えたあと、DVD(BD)になってさえ字幕のつくものが少なく、聞こえない人にとってほとんど見ることのできないものになっています。聞こえる人からどんなに注目を集め話題になった作品も、耳の聞こえない人には内容が理解できないのです。

聞こえない子どもたちのこと

 耳の聞こえない子供たちは、日本語を覚えたり話したりするのにも、大変な苦労を強いられます。聞いたことのない音声の唇を読み、その言葉を覚え、また自らも話すため、何年間もトレーニングが続きます。聞こえない人にとって、音声言語を覚えることは、並大抵のことではありません。そんな中、日本語の文章力もなかなか上達しないと悩んでいる難聴児がたくさんいます。
 多くの聞こえる一般の子供たちが、テレビなどから様々な情報を取り入れている中、その映像でも字幕のついているものは少なく、聞こえない子どもたちは、さらに、日本語から遠ざけられているのが現実です。(世界から注目され、高い技術があるとされる日本のアニメにいたっては、口の動きを読むことすらできません。)
 そんな子供たちに、“聞こえない日本語”を覚えるチャンスを広げるためにも、字幕は今、緊急に必要です。

聞こえる人の邪魔になりたくはない!でも 字幕がなければ映像の内容がわからない!!

 わたしたちは、けして、聞こえる人の邪魔になってもいいから、上映する全ての映画、放送される全てのテレビ番組に字幕をつけてくれ!!と言っているのではありません。
ただ、みなさんと同じように、聞こえない人にも、映像を自由に見るチャンスを与えてほしいのです。
 これまで、洋画のセリフに日本語の字幕がついていたことは、きこえない人にとって、大変うれしいことでした。字幕がついて内容がわかるという以上に、となりの聞こえる家族や恋人に「ねえ、今なんて言ったの?」「あのせりふ、わからないから教えて!!」と、尋ねることなく、堂々と対等に席を並べて、映像を楽しむことができてきたからです。誰にも迷惑をかけず、自分も仲間に入って堂々と楽しめる。この喜びが、あなたにわかりますか?
(洋画関係者のみなさんは、そうとは知らず字幕をつけてこられたと思いますが、その映画館の片隅で、これまで、きこえない人に大きな自由と喜びを与えていたということを、ぜひ知っていただきたいのと同時に、心からの感謝の意も、この場を借りて伝えたいと思います。)
 今、日本人の役者さんたちの活躍の場が広がり、たくさんの洋画に出るようになりました。同じ日本人として、わたしたちも大変うれしく応援したい気持ちでいっぱいです。
でも、わたしたちはこれを応援することができません。日本の上映では、肝心の日本語のセリフに字幕がなく、大好きな役者さんも何を話しているのかわからないからです。
 邦画やアニメもまた、同様に、きこえない人には、存在さえなきものになっていると言っても言いすぎではないと思います。

だから!!

せめて、「DVD(BD)で、日本語字幕を選べるようにして、見せてもらいたい。」のです。

私たちの気持ち

 字幕のついた映像を楽しみたい!!

 こんな願いを抱く私達は、ずうずうしく、身の程をわきまえず、そんな面倒なことを言わず、黙っていればいい存在でしょうか?
DVD(BD)で、誰の邪魔になることもなく、1人で字幕をつけて映画を観たい。今まで一緒に見られなかった作品を、大好きな聞こえる恋人と部屋のテレビ画面で字幕つきで見たい。「お母さん、もう画面の通訳は要らないよ。DVD(BD)に字幕ついてるもん。一緒に楽しもう。」と言いたい。
私達は、こういえる日が、すぐ目の前に来ていると信じて、この手紙を、多くの皆さんに託そうと思います。
どうか、一緒に考えてください。

国会議員に思いを届けたい

 わたしたちは、この手紙を、最終的に、全ての国会議員おひとりおひとりに届けたいと願っています。法律を作ってください。わたしたちの願いを、国会でともに考え、解決策を見出してください。
 願いは、たった一つ、「 DVD(BD)に字幕を義務付ける法律 」を作りたい!!
 TUTAYA等、レンタルビデオに配されるレベル(それは量産1万本以上程度の規模でしょうか?)このレベルのDVD(BD)に字幕をつける法律がほしいのです。
単なる業界の努力にまかせず、国も一緒に考えてください。
 もちろん、これらには、業界の様々な事情や、著作権の問題もあると思います。でも、だからと言って、このことを、ほうっておいてもいいですか?ムリだ、大変だと、見てみぬフリを、あなたは出来ますか?わたしたちは、みんなで考えれば、必ず解決できると信じています。
 耳のきこえない人には、字幕が必要です。字幕によって、たくさんの自由や喜びを得られ、教育にも大いに役立ちます。
 日本時間2007年9月28日深夜、閣議決定のもと、高村外務大臣がニューヨーク国連本部で「障害者の権利条約」に署名をしました。この中には、障害者が、様々なレジャーを自由に楽しめる権利についても述べられています。こうした観点からも、どうかともに考えていただきたい。

 みなさん、ぜひ一緒にDVD(BD)の字幕について考え、行動してください
私達は、みなさんの力を必要としています。

2008年 春

この文章の発信元は、

「バベルの日本語音声にも字幕を」呼びかけ人
(1)河内健治(調布市・ろう者・会社員)
(2)岡本かおり(大阪市・ろう者・会社員)
(3)南 瑠霞(世田谷区・手話通訳士・手話コーディネーター)です。

(連絡先)
〒154-0023 世田谷区若林1-24-9 永井ビル2階 株式会社 手話あいらんど内
TEL:03-3487-0752/FAX:03-3487-0753

↑以上の内容の手紙をダウンロードして、あなたも地元の目上の人のところへ、急いでください。

以下のデータをダウンロードし、印刷してご利用ください。

word形式 pdf形式
wordデータ PDFデータ

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この手紙に添えていただきたい資料(あなたもぜひご覧ください。)

朝日新聞
掲載記事
(PDFデータ)
880KB
  字幕についての
リンク集
  映画字幕に
関する
ひとくちメモ

この手紙作戦を周りの人に知ってもらうための、チラシを作りました。どうぞご利用ください。

pdf形式
PDFデータ(1.1MB)

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