映画字幕に関するひとくちメモ

★アメリカでは、前の人の座席シートに、何ヶ国語かの字幕が出、見る人は、それを選んで映画を楽しめる劇場もあります。また、映像スクリーンとは反対側(後ろ)の壁面に、裏文字の字幕が投影され、それを鏡で写し取って、前方の映像と一緒に見る仕組みのある劇場もあります。(日本でも国立劇場などが、システムを導入しています。)

★アメリカでは、DVDには必ず字幕が入り、聞こえない人も自由に映画が楽しめます。(法制化されています。)

★アメリカのテレビ放送も、生放送以外には、基本的に全ての番組に字幕が入ることが義務付けられており、放送に関しては補助金も出ています。

★日本国憲法でも、11条・25条などで、法の下の平等や、全ての国民が健康で文化的な生活を保障されるべきだとの記述がなされています。これに照らして考えれば、ゆくゆくは、映画などの字幕も、障害者等の権利の保障に該当するものと思われます。

★2006年12月13日、国連総会で『障害者権利条約』が、全会一致で採択されました。この波がもうすぐ日本にも広がるものと見られています。いまや映画などを障害者が自由に見られるということも、国際的常識になりつつあります。

★全国の、聴覚言語障害者は、およそ35〜6万人。これは、厚生労働省に届け出て、身体障害者手帳の交付を受けている人の数です。(ここには言語障害者も含まれていますが、ほとんどは聴覚障害者です。)これは聞こえがかなり悪く福祉的手当てが必要だと感じて、自己申請した人の数。それよりは少し聞こえるけれど、日常生活では聞こえにくく、かなり不便を感じている人を加えると、耳の悪い人は全国におよそ100万人いるといわれます。日本全体の人口はおよそ1億2500万人。これを元に計算すると、125人に1人が、聞こえに不便を感じていることになります。こうした人は、映画などに字幕がつくと、とても便利になります。
また、アメリカでは、片方の耳が難聴でも、障害者として認定されます。こうした方法で計算すると、日本ではなんとおよそ1000万人が、耳に不便を感じていると言われます。

映画業界のみなさん、ひいては、全国の多くのみなさんも、ぜひ、わたしたちと共に、
こうしたことを、少しずつ考えていっていただければ幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。


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